根本仏教講義
「今の瞬間を生きる」※一部抜粋
私たちが何をやっているかといいますと、無常に逆らおうと必死にもがいているのです。
歳をとっても若い頃のようにスタイルが良く、肌がきれいで、体力があり、健康でありたいと頑張っています。でもどんなに頑張っても、老けるし、病気になるし、体力は衰えてゆきます。
そして最後には必ず死がやって来ます。命は無常なのです。この現実をありのままに認めるとき、私たちは初めて心の安らぎを味わうことができるのです。
というのも短い人生のなかで、喧嘩したり、貪ったり、愚かな行為をしたら損だということがわかるからです。その代わりに善行為をして人生を有意義に過ごそうとしますから、結果として、愉しく充実した人生が送れるのです。
ですから「無常」ということを理解してください。絶対に怒らないぞと決心しても、つい怒ってしまうという人は、無常を理解したほうがいいのです。無常を理解できれば、貪瞋痴が消滅して、無量の幸福を味わうことができるのです。
仏教は「今の瞬間をしっかり生きなさい」と教えています。受験生なら、先の試験のことを心配するのではなく、今やるべき勉強をしっかりやればいいのです。
それで勉強しているときに心が過去や未来のことを妄想し始めたら、すぐに「今妄想している」と気づいてください。そしてまた勉強に戻ればいいのです。
大事なのは、何をしているときでも、今起きている現象に気づくことです...
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