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6月2日 瞑想日記 『言葉・こころ・心所』




吉水 秀樹 ++++++++++++++++++++++++++++++++

協会の記事ではありません。

サークル仲間の所感です。  

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6月2日 瞑想日記 『言葉・こころ・心所』  笑い話のようですが、昨日うちの家内に「あなた口が臭い!」と言われました。お昼前の話で、朝の歯磨きはしたのになぁ…と思ったのですが、もちろんこの言葉は善意であって、悪意のある言葉ではありませんでした。仕事柄人前で話すことも多いので、他の人に不快感を与えないように注意して言ってくれたのです。  さて、問題にしたいのは、「私の反応」→「言葉の持つ影響力(破壊力)」と「心所」についてです。  一昨日は寺を訪れた人に「お庭のスイレンがきれいですね」って言われました。 「お庭のスイレンがきれいですね」って言われるのと、「あなた口が臭い」って言われるの、どちらも好意や善意があっての言葉なのですが、受け取った私の反応の違いに自分でもびっくりしました。私の場合普段は、「スイレンがきれいですね」っと言った好意の言葉に触れることが多いです。「あなた口臭い」は、家内しか言ってくれませんが、滅多に出会わない言葉です。  さて、「あなた口臭い」と言われて、最初に嬉しい・楽しいといった反応は生まれません。明からに不愉快というのか、嬉しくありません。しかも、けっこう強く反応しているのが自分でわかります。  この気持ち、こころは何だろうと自分で観察してみたのです。不愉快な気持ちが表面に現れていますが、それだけでもありません。この心は心所で分析したら何だろう…? と思ったのです。いろいろ混じっていることが自分でもわかります。 ------------------------------------------ ① 一つは拒絶する働きですから、これは「怒り」瞋(しん)dosaドーサです。それほど強い怒りではありませんが、拒絶する心が生まれています。 ② もう一つは後悔(悪作おさ)kukkuccaクックッチャです。これもそんなに強くありませんが、しっかり歯を磨いておけば…、朝磨いたのになぁ…、など過去に心が行っています。 ③ 次は善心所「慚愧」(ざんぎ)の「慚」(ざん)hiriヒリです。みっともないことを恥じらう善心所です。恥ずかしいからきちんと磨こうという意志。実際にその後すぐに歯を磨き直しに行きました。これは明らかに、慚hiriヒリが働いています。  ちなみに、善心所のヒリが働かないひとは、悪心所の無慚(むざん)ahirikaアヒリカが働いています。これは「恥を知らない」「べつに恥ずかしくないよ」という厚顔無恥の状態です。  阿羅漢なら、善心所の慚hirîだけが働いて、「あっそうですか」と不愉快な気持ちが生まれないだろうと思います。  私の場合は、最初に生まれたのは明らかに悪心所だったと思います。不愉快なこころが最初に生まれ、言ってくれたことへの喜びはまったくゼロでした。その後、冷静になって悪感情が消えて、慚hirîが生まれて、「そんなこと言ってくれる人はこの人しかいないなぁ…」と感謝の気持ちも生まれました。 ④ 面白いことに最後に生まれた「感謝」=「喜びの働き」、つまり「喜」pîtiピーティは雑心所にあります。喜びを感じることは私たちには心地よいのですが、それを追い求めると不幸になることもあるので、「喜」「精進」「意欲」は、いずれも雑心所にあります。これらは使い方を間違えば不幸の種になるということです。爆弾を作ることに意欲をもって精進して、完成して喜ぶみたいなことです。  さて、最後に私が思ったのは、「言葉の破壊力」です。どんだけ、言葉に影響されて生きていることか。阿羅漢果に達した人は、見たものはみただけ、聞いたことは聞いただけ、考えたことは考えただけ、外にも内にもなにもない。ただ、聞いて適切な行動をしてそれでお終いのように思います。

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